ゼロカーボン地域シナリオ分析ツール

ゼロカーボン地域シナリオ分析ツール

ゼロカーボン地域シナリオ分析ツール

ゼロカーボン地域シナリオ分析ツール(タイプⅠ、タイプⅡ)
Excelファイル形式で提供しております。

2050年実質ゼロカーボンの実現へ

本ツール(ゼロカーボン地域シナリオ分析ツール)は、各市区町村において担当職員の方自らが2050年実質ゼロカーボンを実現するための2030年、2040年、2050年におけるCO2削減目標の見極め目標達成のためのポリシーミックスを検討する際に利用でき、各市区町村のゼロカーボン・ロードマップの作成に資するために開発されました。

ゼロカーボン地域シナリオ分析ツール作成の背景

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2021年11月に英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)では、以下を主要な合意項目とする「グラスゴー気候合意」を採択しました。  

  • 世界の平均気温の上昇を、工業化前の水準からプラス2度を下回る水準にし、1.5度に抑える努力を追求するという長期的な世界目標を再確認します。
  • 地球温暖化を1.5度に抑えるために、世界の二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに2010年比で45%削減し、今世紀半ばには実質ゼロにします。
  • 排出削減対策を講じていない石炭火力発電の段階的な削減と、化石燃料に対する非効率な補助金の段階的な廃止に向けた努力を加速し、クリーンな発電方法とエネルギー効率の向上を進めます。

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菅総理大臣(当時)は、2020年10月に「2050年にカーボンニュートラルを目指す」ことを表明し、2021年4月には、2030年に2013年比マイナス46%を目指すことを明らかにしました。

同年10月には「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、温室効果ガスは、2030年度において、2013年度比46%減の水準にすることを目標とするとされ、多数かつ多様な対策メニューが示されました。  

また、これと同時に「エネルギー基本計画」(第6次)が閣議決定され、2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応、2050年を見据えた2030年に向けた政策対応などが詳細に記されました。

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また、政府は「地域脱炭素ロードマップ」(2021年6月9日、国・地方脱炭素実現会議決定)を策定し、多くの対策メニューを網羅的に示すとともに、「脱炭素先行地域」が意欲と実現可能性が高いところからその他の地域に広がっていく「脱炭素ドミノ」を起こすとしました。

環境省は、100か所の「脱炭素先行地域」のために令和4年度予算案に200億円を計上しています。

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一方、日本の300を超える自治体は、既に、2050年実質ゼロカーボンを表明していますが、具体的なゼロカーボン・ロードマップは見当たりません。

以上の背景の下に、日本の1741の市区町村の職員のみなさん自身が、2030年、2040年、2050年のCO2削減の目標レベルを見極め、目標達成のためのポリシーミックスを検討し、そして、各市区町村のゼロカーボン・ロードマップを作成することができるよう、そのためのツールを開発しています。

2050年実質ゼロカーボンに向けて基本シナリオ

本ツールでできること

市区町村の担当者が、2030年、2040年、2050年の住宅用太陽光発電の戸建住宅への設置割合(目標)など30数個のシナリオの値を入力するだけで、当該市区町村域内の各年の2013年比CO2削減率、エネルギー消費量などが自動的に算定され、グラフでも表示されます。
また、当該自治体が入力したシナリオの値は、全国の他の市区町村にも適用されますので、日本全体の各年の2013年比CO2削減率も自動的に算定されます。
このように、本ツールは、各年の削減目標の見極めや目標達成のためのポリシーミックスの検討に活用することができます。
また、入力した各年の施策とその量などをつないでいくと、ゼロカーボン・ロードマップの骨子ができます。

2050年実質ゼロカーボンに向けての基本シナリオは以下の通りです。

日本全体では

市区町村の区域内においては

研究メンバー

研究代表者

高野 雅夫

名古屋大学 大学院 環境学研究科
持続的共発展教育研究センター
教授

共同研究者

谷川 寛樹

名古屋大学 大学院 環境学研究科
都市環境学専攻 
教授

共同研究者

杉山 範子

名古屋大学 大学院 環境学研究科
持続的共発展教育研究センター
特任准教授

「世界首長誓約/日本」事務局長

竹内 恒夫

名古屋大学 大学院 環境学研究科
特任教授